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2004年11月16日

電話もない,テレビもない

カナダ・マニトバ州のWinnipegからSteinbachへ向けて移動中にメノナイトMennoniteの集落を通過した.

Mennoniteは,ネットで調べてみると,16世紀にスイスで誕生したキリスト教のなかの小さな一宗派で,成人してから自分の意思・信条に基づいて洗礼をうけた人でないと真の信者とみなさい点で(赤子や幼児時の洗礼でもOKとする)大宗派のカトリックやプロテスタントとことなるようだ.無抵抗・平和主義も彼らの信条のひとつであるため,宗教改革の頃から,あい争うカトリック・プロテスタントの両陣営から迫害を受け,世界各地に安住の地を求めて転々としてきた人たちだ.同行の州政府の役人によれば,厳格な(保守的な)Mennoniteはアルコールもコーヒーもだめだとか言っていた(とおもう)

このMennonite宗派から17世紀に分派した更に小さい宗派にAmishというのがある.
この両派(MennoniteとAmish)がAnabaptist(再洗礼派=幼児期に洗礼を受けたひとでも成人してから改めて洗礼を受けなおさなければ信徒として認めない宗派)の中核をなす.

どんな宗教でもそうだろうが,Anabaptistでも厳格派(保守派)とリベラル派(穏健・妥協派)とがいて,リベラル派は観光客も歓迎する一方,保守派はカメラで撮影されることもきらう.だから一概にはいえないが,アメリカ・カナダで定着・定住しているAnabaptistたちの特徴は,普通の社会とできるだけ没交渉の独自のコミュニティを形成し,宗教上の理由から,電話も,テレビも,車もない,という生活を営んでいるあたりだろうか.子供はコミュニティ独自の教育をうける,衣服は飾り気のないものばかりで,男性は広い縁の黒帽子をかぶり,女性は子供も含め膝下までの洋服を着用する.

厳格派の信徒は車の使用を認めないので,日常の移動には,大抵2輪馬車が使われる.sなかがその村を通った日は真冬でブリザードが吹き荒れ気温零下20度C以下という気候だったが,幹線道路の路肩寄りを二輪の馬車に乗り,黒い被り物をかぶり,ショールを首に巻きつけて,馬に鞭をあてて移動中のご婦人二人をみかけた.一応除雪はされている舗装道路の雪道に馬の排泄物が点々とあったのが,妙に印象に残っている.

そのコミュニティの特徴を,ある人は次のように要約している.
Separatism(物質文明社会からの隔離,政教分離,政治との係わり合いをもたない)
Simple life(飾り気を排斥する質素な生活)
Family life (家族中心,家族の絆を大事にする生活)
Harmony with the soil and nature(大地・自然との調和を大事にする生活)
Mutual assitance(互助の生活)
Disciplined church community (教会を中心にした信心深い暮らし)

無抵抗・平穏主義 Nonresistance and Pacifism 

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Posted by sなか at 10:12│Comments(0)岡目仙人
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